ラカン、すべてに抗って

ラカン、すべてに抗って

ラカン、すべてに抗って


ラカンの伝記をものしたルディネスコによる、伝記風のラカン入門書。
ボリューム的にもコンサイスなので、さらさらと読める。

以下、備忘。

精神分析は民主主義を前提にして、世紀末ウィーンのトポロジーを経て発展したものであり、本質的にアナーキーなものであること。

ラカンは実生活においては多分に矛盾・錯綜した人生を歩んでおり、論考・著作・記録等では読み取れない豊穣なあるいはそれゆえに難解な部分があること。

精神分析においてはパロールを重視するがゆえに、分析する側のパロールについても同じ構造を有すること。それがゆえに、ラカンの自己韜晦的な新語や言い回しがなされたこと。